とりあえず無題

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流れを大事にしています

設定の秀逸さと非日常性。 『とらドラ!』をよんで。

どうも。浪人生ブロガーのやまPです。

 

[竹宮 ゆゆこ]のとらドラ! (電撃文庫)

 

今回紹介する本は竹宮ゆゆこ作の大人気作品、とらドラ!である。

 

タイトルは似ているが『もしドラ』は無関係だし、ドラッカーさんも出てこない。読んだこと無いから『もしドラ』にドラッカーさん出るかも知らんけど。

 

 

 

 

ぼくの周りでも、「アニメを見た!」「おもしろい!」と勧めてくる人は多かったものの、人に勧めるのは好きだが他人から勧められてもなかなか見ようとしないこまった性格が発動してなかなか手が伸びていなかった。あるある。

 

 

 

 

そんな風に完全に忘却の彼方にあったのだが、先日急に学園ものが読みたくなったときに存在を思い出した。急に学園ものを読みたくなったのは、おそらく自分が高校を卒業したので本で高校成分を補給したくなったのであろう。うんうん。

 

 

 そんな軽い気持ちで読み始めた『とらドら!だが、、、

 

 

 

うーん、やられた。おもしろい。

 

 

  • 内容紹介
桜舞う四月。高校二年。新しいクラス。目つきは悪いが普通の子、高須竜児は、ちっちゃいのに凶暴獰猛、”手乗りタイガー”と恐れられる逢坂大河と出会う。そして彼女は知ってはいけない秘密を知ってしまい――。それが竜虎相食む恋の戦いの幕開けだった! いつもにこにこ、超マイペ-ス娘の櫛枝実乃梨、文武両道、勤勉実直、だけどちょっとずれているメガネ委員長、北村祐作も絡み、どこか変なメンツによる恋はすんなりいくはずもなく……!? 『わたしたちの田村くん』の竹宮ゆゆこ&ヤスが贈る超弩級ブコメ登場! 

 

アマゾンの紹介文をそのまま転載させてもらったが、まあこんな感じの話である。高校生、クラス、恋愛という非常に王道(悪く言えばベタ)な舞台設定ではあるが、、

 

 

 

  • 設定=キャラの秀逸性

 

みんな分かりきってることなので、あえて書く必要性はないかもしれないが、小説において設定、つまり物語の背景やキャラクターは超重要だ。エッセンシャルだ。

 

 

そもそも小説は、どんな種類のものであっても登場人物(キャラクター)が存在し、その登場人物がストーリーに沿って動くことにより成立する。

 

 

いわゆるラノベでは、このキャラとストーリーの小説二大要素のうちキャラのより重きを置く傾向がある。キャラが魅力的であればストーリーが平坦なものであってもそれを補ってエンタメ性をもたらし、キャラに合わせてストーリーが生み出されていく、といったことも可能になる。読者もそのキャラを好きになりやすいし。

 

 

 

とらドラ!』はこの人気ラノベの法則、キャラが魅力的!のお手本のような作品だ。見た目はイカツイが掃除好き、几帳面で心優しい主人公と、見た目は可憐だが「手乗りタイガー」の異名を持つほどどう猛なヒロイン、もはやこの設定を思いついた時点で半分勝ったも同然である。

 

  • 日常性の中の非日常性

 

先ほど小説はキャラとストーリーで決まる!と言ったが、ではとらドラ!のストーリーはどうであろうか。ネタバレはしたくないので細かい内容についての言及は避けるが、、、

 

 

単刀直入にいえば、ふつう、である。よくある、学園もの、である。

 

これだと、まるでつまらないと悪口を言ってるみたいに感じるかもしれないが、決してそういう意図はない。いやマジで。

 

 

 

ここで活きてくるのが魅力的なキャラクターたちである。舞台設定自体は一般的であるおかげで読者は物語に取っつきやすく、その一般的な、僕たちの現実と近い世界の中で、魅力的で「現実には絶対にいないけどもしかしたらいるかも」と我々に思わせてくれるキャラたちが動き回る。

 

 

そうすることで生まれるのが「日常性の中の非日常性」である。

 

 

  • 平凡な日常と理想の体現としての本

 

僕たちの毎日生きている「日常」は得てして平凡で、退屈で、ともすれば苦痛にすらなることもある。人によってはそれが会社だったり、学校だったり、会社だったりと形こそ違えど。僕も浪人生である以上、勉強という「日常」からは逃れることはできない。

 

 

 

ああ、、、。

 

 

そんな日常につかれ、飽き飽きしてしまった僕たちは心のどこかで、何かが日常を変えてくれることを望んでいる。学生の頃考えた、全校集会に急にテロリストがやってくる、とか、急に事件が起きて自分が探偵役になる、とかいう妄想のあれだ。こういうのってみんな考えるよね?

 

 

実際にはこの望みは叶わないし、逆に実現したらそれはそれで問題で、オロオロあわてふためくしかできないと思うけどね。

 

 

 

 

とらドラ!は上で書いたようにこのあたりの、日常非日常の配分がちょうどよく、無理なく僕たちの心の奥底の「非日常性へのあこがれ」を満たしてくれる。

 

美少女と半分同棲状態になったり、ストーカーを撃退したりなんていうのは、本の中のお話でしかないし、本の中のお話で十分なのだ。

 

 

  • 色々書いたけど結局は、、、

 

まあ、一応紹介のブログなのでない頭を絞ってあることないこと書かせてもらったが、本来僕は本も漫画も何も考えず楽しめればオーケー!派なので、皆さんは何も考えずに読んでいただいてかまわない。『とらドラ!』は頭を空っぽにして心から楽しめる良作である。手乗りタイガー」の魅力にとりつかれてね!

 

 

今回はここまで。